「首相はサウジアラビア皇太子を訪問 両国の関係は30年以上ぶりに回復」33年前の遺恨「ダイヤモンド事件」タイの変わらぬ「闇」 “นายกฯ เข้าเฝ้ามกุฎราชกุมารซาอุฯ ฟื้นความสัมพันธ์สองชาติครั้งแรกในรอบกว่า 30 ปี”

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【今回の役立つ単語】นายกฯ=首相、ความสัมพันธ์=関係

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「首相はサウジアラビア皇太子を訪問 両国の関係は30年以上ぶりに回復」

  
“นายกฯ เข้าเฝ้ามกุฎราชกุมารซาอุฯ ฟื้นความสัมพันธ์สองชาติครั้งแรกในรอบกว่า 30 ปี”

  • นายกฯ=首相
  • เข้าเฝ้าม=訪問
  • กุฎราชกุมาร=皇太子
  • ซาอุฯ=サウジ(ซาอุดีอาระเบีย=サウジアラビア)
  • ฟื้น=取り戻す、回復する
  • ความสัมพันธ์=関係
  • ชาติ=国


นายกฯ เข้าเฝ้ามกุฎราชกุมารซาอุดีอาระเบีย หารือปรับความสัมพันธ์ระหว่างสองประเทศกลับมาเป็นปกติ เป็นครั้งแรกในรอบกว่า 30 ปี ทั้งด้านการค้า การลงทุน รวมถึงการอนุญาตให้แรงงานไทยกลับเข้าไปทำงานได้

  • รือปรับ=調整する
  • ระหว่าง=との間
  • ปกติ=正常
  • ด้านการค้า=貿易
  • การลงทุน=投資
  • การอนุญาต=許可
  • แรงงาน=労働者

首相は、30年以来初めてサウジアラビア皇太子を訪問し、貿易と投資、およびタイの労働者への就労の許可を含んだ、両国間での関係を正常化するよう調整を行いました。

今回の記事(2022年1月26日 8:53 Thairath)は、現在、サウジアラビアを訪問中のタイのプラユット・チャンオチャ首相が、30年以上ぶりに公式訪問し、国交の正常化に向け、会談をしたという話です。

公式訪問の目的

記事では、今回の会談で、貿易、投資、食料、安全保障、エネルギー、公衆衛生、観光、環境問題、再生可能エネルギーなど、相互に協力していくことを目指すとしています。

サウジアラビア側の反応

記事では、サウジアラビアのテレビ局で、今回のタイ首相訪問に際し、1989年から1990年に両国間で問題となった「ダイヤモンド事件」(以下で解説)により、両国間の外交関係が縮小してしまったと、その原因を報じています。

記事の最後では、今回のタイ首相の歴史的な訪問に際し、サウジアラビア現地では政府高官による出迎えや、テレビの生放送は行われず、数枚の静止画での報道だけだったととのことです。

【ニュース深堀り】

最近このニュースは数多く報道され、経済的な効果もかなり大きく、期待されています。
しかし、歴史的な訪問となったタイ首相のサウジアラビア訪問は、現地ではまったく歓迎ムードではなかったようです。

その理由は、記事にもある1989年に起きた「ダイヤモンド事件(別名「ブルーダイヤモンド事件」)によります。事件の内容は以下の通りで、現在でも未解決の事件となっています。

「ダイヤモンド事件」とは

*以下の内容は、ウィキペディアYAHOOニュースからのまとめです。

1989年、当時サウジアラビアで使用人として働いていたタイの労働者クリアンクライ・テチャモンが、サウジアラビアの王子の宮殿から、宝石などの宝飾品(合計91kg)を盗み出し、この中には50カラットのブルーダイヤモンドも含まれていました。(被害総額は約22億7千万円

盗んだ宝石は、クリアンクライの自宅のランパーン県に送られ、個人で販売を始めました。しかし、多くはバンコクの宝石商にその対価に見合わない僅かな金額で買い取られたと報じられています。

当然、サウジアラビア側は激怒。タイ警察はクリアンクライを逮捕、バンコクの宝石商を取り調べ、宝飾品を回収して、サウジアラビアへ返却しました。しかし、サウジアラビア側の確認では、そのほとんどが偽物で、最も貴重なブルーダイヤモンドが含まれていなかったそうです。

当時、政府関係者の妻のイベントでの写真に、似たようなダイヤのネックレスをしていた報道が出回り、サウジアラビア側はさらに激怒。

更に、サウジ王室と親しい実業家がバンコクで捜査をはじめましたが1990年に殺害され、同年、サウジアラビア外交官3人もバンコクで殺害されています。

これらの事件はすべて未解決で、サウジアラビア側では当然この対応を不満に思っています。

「ダイヤモンド事件」後の両国

その後も色々あるのですが、結果、堪忍袋の緒が切れたサウジアラビアは、タイ人労働者の就労ビザ発行を停止、タイへの渡航も自粛する対応となり、当時の現地タイ人労働者 15-20万人から 2008年には1万人に激減しました。

これによるタイでの経済損失は約7,000億円と言われており、現在までを含めれば、当然それ以上の損失となります。

クリアンクライ、事件のその後

そして時は流れ、クリアンクライは約5年間の収監後、2016年3月(当時65歳)に、地元ランパーンで出家し、事件後、家族にふりかかった数々の災いについて、ブルーダイヤモンドの呪いによるものだと信じて疑っていないとのことです。
*当時の出家の様子を報じたThairathの記事がありますので、関連記事をどうぞ。

最近2019年3月では、サウジアラビア実業家殺害の容疑者であるタイの警察官5人は、証拠不十分で無罪となっており、現在でも未解決の事件となっています。

まとめ、感想

以上が、報道上での内容となりますが、真相はどうなのでしょうか?91Kgもある宝飾品を1人でどうこうできるとは、とても思えませんよね。

悪いことをしたら出家、善行をするはずの警察官が容疑者。最近でも同じ構図を見せられて正直うんざりしています。今も30年前と何も変わっていません。タイの明るい未来を切に願います。

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