「知って下さい！【ソーセージ】に有毒な亜硝酸ナトリウム」亜硝酸ナトリウムとノーブランドソーセージの危険性とは？　”รู้จัก! โซเดียมไนไตรต์ พิษร้ายใน “ไส้กรอก””

今回の記事（2022年2月2日 Thai PBS）は、タイで販売されているソーセージ、ハム、ボローニャに、防腐剤として使用されている「亜硝酸ナトリウム」の取りすぎによる危険性についての話です。

今回の記事は、マヒドン大学薬学部での研究報告（関連記事）について取り上げ、それをまとめています。

「亜硝酸ナトリウム」の用途、基準値

市販されているソーセージ、ハム、ボローニャは、保存期間を延ばすために真空パックされ、さらに防腐剤の用途として「亜硝酸ナトリウム」または「亜硝酸カリウム」が使用されています。

タイの公衆衛生省では「亜硝酸ナトリウム」の使用を認めており、1kgあたり125mgを超えないように規定しています。使用することによりボツリヌス菌の増殖を抑制する効果があります。

研究結果では「亜硝酸ナトリウム」の1日の摂取量は50ｇ～100g以内を推奨し、一度に大量に摂取しないように呼び掛けています。

「亜硝酸ナトリウム」過剰摂取の危険性

「亜硝酸ナトリウム」の過剰摂取により引き起こされる症状として、チアノーゼ（血液中の酸素が不足し、皮膚が青く変色する症状）、チアノーゼによる爪の変色、息切れ、倦怠感、動悸、低酸素症状などがあります。

また、「亜硝酸ナトリウム」が血中でヘモグロビンと結合して「メトヘモグロビン」が形成され、これにより、ヘモグロビンが酸素と結合できなくなることが分かっています。

＊「メトヘモグロビン」を原因とする問題の症状が、今年2022年1月にタイ５県で６人の子供に発症したとの記事があり、それについては、以下の「ニュース深堀り」で解説します。

「亜硝酸ナトリウム」致死量

「亜硝酸ナトリウム」の致死量は、体重1kgに対して32mgを摂取した場合です。

• 　9－18歳の平均体重44.5kgの場合、致死量　1,424mg
• 　19歳以上の平均体重 54.5kgの場合、致死量　1,744mg

と報告しています。

「亜硝酸ナトリウム」が基準値を超えたもの

マヒドン大学では、コンビニエンスストアやスーパーでサンプリングしたこれらの商品を確認しましたが、すべて基準値以内の結果を得ており、記事でもその調査結果を掲載しています。

2012年に実施された公衆衛生省のサンプリング調査では、ソーセージから16.4％と中国産のソーセージから8.9％の基準値を超えた「亜硝酸ナトリウム」が検出されたと報告しています。

また、「亜硝酸ナトリウム」の使用が禁止されている食品の中に、検出された食品があったことも報告しており、以下のその食品を挙げています。

• ไก่ทอด（ガイトート）＝　フライドチキン
• หมูยอ（ムーヨー）＝　ベトナム風豚肉ソーセージ
• ปลาเค็ม（プラ―ケム）＝　魚の塩漬け
• ปลาเค็มตากแห้งหวาน（プラ―ケムタックヘーンワーン）＝甘い乾燥塩漬け魚

＊ただし、記事ではどこでどのようにサンプリングしたかの情報はありません。

【ニュース深堀り】

2022年1月「メトヘモグロビン」を原因とする症例

2022年1月28日 Thai PBSの記事（関連記事）で、以下の見出しで、記事の前週にタイ5県6人の子供に「メトヘモグロビン」を原因とする問題の症状の発症し、原因はブランド品ではないソーセージを食べたことを原因として挙げています。

「【メタヘモグロビン】の6人の病気の子供を発見　ブランド品ではないソーセージ食べ」
“พบเด็กป่วย “เมทฮีโมโกลบิน” 6 คน กินไส้กรอกไม่มียี่ห้อ”

記事では、2022年1月28日に、マヒドン大学に帰属するRamathibodi Poison Centerが「信頼のないソーセージは食べないように」警告を出したことを伝え、

5県6人（チェンマイ2名、ペチャブリ1名、トラン1名、カンチャナブリ1名）でその症状が確認されたと発表しています。

いずれのケースも、ブランド品ではないソーセージを食べたと報告されており、幸いにも命に別状はなかったとのことです。食品医薬品局（FDA）の機関では、原因についての追跡調査していくとのことです。

重症の場合の対処

重症化した場合、「メチレンブルー」（メトヘモグロビン血症治療剤）を使用して解毒を行うケースもありますが、症状が出たらすぐに医師の診断と適切な対処を受けて下さい。

まとめ、感想

以前からもタイの人の間でも、危険なので屋台などで食べないと言っている人もいましたが、2022年の現在でも、まだ身近な問題として取り上げられているのは、少し驚いています。

日本では「亜硝酸ナトリウム」は防腐剤の役割だけでなく、発色剤としての使用もあり、取りすぎによって大腸がんなどのリスクを高めるとも言われています。

皆さんも良い品質のものを選んで、おいしく安全に食べましょう。