「デパートで精神の病んだ14歳の少年が銃を撃ち 2人死亡 5人負傷、弾切れとなり投降」【パラゴン14歳銃乱射事件】事件発生からの経緯、警察・政府・パラゴン・両親の対応まとめ เด็กชายวัย 14 ป่วยจิตรัวยิงในห้าง ดับ 2 ศพ บาดเจ็บ 5 กระสุนหมดจึงยอมจํานน

「デパートで精神の病んだ14歳の少年が銃を撃ち 2人死亡 5人負傷、弾切れとなり投降」【パラゴン14歳銃乱射事件】事件発生からの経緯、警察・政府・パラゴン・両親の対応まとめ  เด็กชายวัย 14 ป่วยจิตรัวยิงในห้าง ดับ 2 ศพ บาดเจ็บ 5 กระสุนหมดจึงยอมจํานนSocial
Social
【今回の役立つ単語】เด็กชาย=少年、กราดยิง=銃乱射

*単語をカーソルでなぞると単語の発音が流れます!(iOSではブラウザ上で音声承認が必要です)

記事・解説へ

「デパートで精神の病んだ14歳の少年が銃を撃ち 2人死亡 5人負傷、弾切れとなり投降」

“เด็กชายวัย 14 ป่วยจิตรัวยิงในห้าง ดับ 2 ศพ บาดเจ็บ 5 กระสุนหมดจึงยอมจํานน”

  • เด็กชาย=少年
  • วัย 14=14歳(วัย=年齢層)
  • ป่วยจิตรัว=精神病を患う
  • ยิง=撃つ
  • ห้าง=デパート
  • ดับ 2 ศพ=死者2名(ดับ=終わる)
  • บาดเจ็บ=負傷
  • กระสุน=弾丸
  • หมด=無くなる、尽きる
  • จึง=それで
  • ยอม=認める
  • จํานน=追い詰められた、戦う術がない


เด็กชายวัย 14 หลอน แต่งชุดพร้อมรบ กราดยิงในห้างสรรพสินค้า สยามพารากอน หลังสิ้นเสียงปืนนักช็อปต่างหนีตายแตกกระเจิง ตำรวจเร่งปิดล้อมห้างระดมกำลังตำรวจมือดีเข้าระงับเหตุ ก่อนมือยิงจนมุมที่ชั้น 3 ของโรงแรมดังใกล้ห้าง

  • หลอน=*二人称・三人称代名詞
  • แต่ง=着飾る
  • ชุดพร้อมรบ=戦闘服
  • กราดยิง=銃乱射(กราด=無差別)
  • ในห้างสรรพสินค้า=デパート
  • สยามพารากอน=サイアム・パラゴン
  • สิ้น=終わる
  • เสียงปืน=銃声
  • นักช็อป=店員(ช็อป=Shop)
  • ต่าง=様々な
  • หนีตาย=必死に逃げる
  • แตกกระเจิง=錯乱する、散らばる
  • ตำรวจ=警察
  • เร่ง=急いで
  • ปิด=閉める
  • ล้อม=周辺
  • ระดมกำลัง=動員する
  • ตำรวจมือดี=熟練警察官
  • ระงับ=制御する、終わらせる
  • เหตุ=事件
  • ชั้น 3=3階
  • โรงแรมดัง=有名なホテル

戦闘服を着た14歳の少年はサイアム・パラゴンで銃を乱射。銃声が止むと店員はパニックとなり必死に避難。警察は緊急にデパート周辺を封鎖し、事件を終わらせるため熟練の警察官を動員。デパート近くの有名なホテルの3階で犯人は投降。

今回の記事(2023年10月4日 Thairath)は、2023年10月3日(火)にタイで観光客にも人気のあるデパートのサイアム・パラゴンで14歳の少年が改造銃を乱射し死者2名、負傷者5名を出した事件について経緯、現在までの各機関での対応についての話です。

1.サイアム・パラゴンで銃乱射事件が発生

2023年10月3日(火)午後4時20分、現地の警察がバンコクのサイアム・パラゴンで銃の発砲音が4発以上あり 被害者が出ているとの報告を受け出動しました。

現場ではデパート前、駐車場に数百人の逃げ惑う人の姿が見られ、目撃者の情報から加害者は20歳以下の瘦せ型、身長約175センチ、色白、タイトな戦闘服のズボンに袖をまくった黒いジャンパー、黒のブーツにグレーの帽子を身に着けた人物であることを確認しています。

加害者は口径9mmの銃を所持・発砲しながら、デパートのM階から3階への移動していました。

銃声により危険を察した買い物客はパニックとなり駐車場や出口への避難を開始、警察は4~5名の負傷者が出ていることから部外者が立ち入らないように周辺地域の封鎖、隣接するBTSのサイアム駅は一時的に電車を駅に停車させない処置がとられました。

警察はタイ版のSWATにあたるアリンタラート・コマンドー(อรินทราช-คอมมานโด)の出動を要請、これにより現場より2名の負傷者を救助できたとしています。

2.14歳少年を逮捕、精神異常者なのか?

事件発生から約1時間15分後に警察は使用された銃と共に犯人を逮捕。犯人は所持していた弾丸をすべて打ち尽くした後にデパート近くのホテルの3階(実際はデパート3階の家具店)で降伏し、警察に身柄を拘束されました。その後直ぐに犯人は14歳の少年であることが分かっています。

逮捕後の現場での少年への取り調べでは 「彼がそこに居る」“พี่มันอยู่นู้น” や誰かが命じたなどの幻覚が見えているような供述をし、警察官に落ち着くようになだめられる場面もあり、後に警察は過去の精神病での通院歴の調査がされています。

【逮捕時の画像@Thairath_News

*見出し画像でも引用

逮捕時の動画もニュース記事から

3.犯行時の犯人の足取り

監視カメラの映像による分析で加害者の少年の事件当日10月3日の行動が以下の様に明らかになっています。

15:35 – BTS 2番線からサイアム・パラゴンへ入店
15:40 – バックパックを背負いM階へ移動
15:42 – M階のルイ・ヴィトン隣のトイレへ移動(事件発生現場)
16:10 – トイレ内およびトイレ前で発砲
16:11 – M階を移動し発砲
16:25 – 2階へ移動し発砲
16:28 – エスカレーターで3階へ移動し発砲
17:10 – 3階の高級家具店 CHANINTR 店内で警察は犯人を拘束

*犯人は警察の説得に応じて両手を上げ警察に背を向けひざまずいた所を拘束
*投降したのは持っていた弾薬を全て撃ち尽くした後

3.被害者について

今回の銃乱射事件による被害者は死者2名、重傷者を含む負傷者5人と発表されています。3人はチュラロンコン病院、5人はバンコクキリスト教病院へ搬送されました。

【死者】

  1. 中国人女性(34歳)น.ส.จ้าว จินหนาน
  2. ミャンマー人女性(30歳)น.ส.เมา เมจิน

【負傷者】

  1. タイ人男性(41歳)นายวิเชียร วิจิขากี
  2. タイ人女性(30歳)น.ส.เพ็ญพิวรรณ มิตรธรรมพิทักษ์
  3. 中国人女性(40歳)น.ส.ลิช่า
  4. タイ人女性(約50歳)นางอัญภัทร ทิพย์จิระสกุล
  5. ラオス人女性(28歳)น.ส.คำ พูอี

*亡くなった中国人女性は家族でタイに旅行にきており、事件発生時には双子の小さな娘とはぐれ、事件終息後に探しに来た娘が母の死を知るという更なる悲報も伝えられています。

*亡くなったミャンマー女性はタイで働いており、雇用主の話では家族に毎月1万バーツの仕送りを、事件当日も銀行へお金を預けに行く途中に犠牲となりました。

5.犯人の少年・学校について

警察では直ぐに犯人の少年の身辺調査が行われ、少年は現場近くのインターナショナルスクールに通う学生でゲーム中毒であったと伝えています。両親は大学の助教授と高校教師。

少年はラジャヴィティ病院(รพ.ราชวิถี)で精神科の治療を受けていたされており、処方された薬は飲んでいなかったと報道されています。

同日午後9時、バンコクのバンケー区にある犯人の少年の自宅の捜査も行われ、少年の部屋には事件に使用された9mmの弾薬、他にも改造された模倣銃が多数発見されています。また少年は通常は学校へ通うためサトーン地区の別宅で生活をしているとのこと。

少年が通う”THE ESSENCE”では同日 当学生の保護者に書面を送付し、加害者は同学校に通う学生であり、犠牲者に対して哀悼の意を表し、学校は事件に全面的に警察の捜査に協力するとし、また加害者少年・少年の家族のプライバシーについて尊重するよう依頼をし、また学内にケアチームの設置をすると伝えています。

6.タイ観光に関する影響

タイ観光協会(ATTA)では今回の銃乱射事件によりタイの観光業に間違いなく影響が出るとの見解を明らかにし、今回の犠牲者に中国人観光客が含まれていたことで事態はさらに悪化するとみられています。解決には政府が問題を明らかにし対応・管理することが必要としています。

*またタイ観光局では2023年10月の中国からの観光客が当初予想より50%減少、年末までも30%の減少が見込まれ、500億バーツの損失と試算しています。

*タイでは今年中国人が拉致・誘拐される事件が多発しており、2023年4月には中国人女学生が拉致・殺害されています(犯人は中国人) 。また中国ではタイでの拉致事件を題材にした映画のヒットし タイ旅行を敬遠する動きがあるところに更なる悪影響のある事件が発生した形です。

7.タイ銃社会の現状

CNNではタイでの銃所有率は他国に比べて高く、銃により死亡率も高いと指摘しています。2017年にスイスで行われた小型武器調査(SAS = Small Arms Survey)によると、1,030万人以上のタイ国民が銃を所有しており、これは100人あたり15丁に相当します。

ワシントン大学医学部の独立健康研究機関 (IHME) の2019年の調査では東南アジアで銃による殺人件数がタイはフィリピンに次いで2位となっています。

【ニュース深堀り】

パラゴン銃乱射事件後の(1)警察 (2)政府 (3)パラゴン (4)加害者両親の対応は以下の通りです。

(1)タイ警察の対応

10月5日 タイ警察は現場となったM階から3階までの検証の結果、散乱した40個の薬きょうを確認、今回の7人の死傷者には計11発が命中していたと発表しています。

10月5日 今回使用された銃は本物ではなく弾丸の発射できない模倣銃 Blank Guns “แบลงค์กัน”を改造したものが使用されており、少年は違法な販売サイトよりオンラインで購入していました。警察は販売元のラヤー県で販売店を特定し、男性2人(45歳、22歳 親子)を逮捕、空砲弾209発、銃身33個などを押収しています。

10月7日 警察は加害者の少年に弾薬を違法に販売したバンコクの販売店の男性(31歳)を逮捕しています。

(2)タイ政府の対応

10月5日 タイ内務省のアヌティン内務大臣が8項目の銃規制に関する短期処置を発表しました。以下がその内容の要約です。

1. 新規の銃器販売許可証の発行を停止
2. ブランクガン, BBガンなど銃器転用可能な模造銃の登録要請
3. 税関での輸入模造銃の検査を実施
4. 射撃場での銃規定強化(スポーツ庁規定)
・許可の無い20歳未満の人の立ち入り禁止
・登録者のみが利用
・銃器、弾薬を競技場の外に持ち出さない
5. 全国の県知事、警察署長による銃器携行許可証の発行を停止
6. 銃は1人1丁の所有を可能とし譲渡は不可。警察官が死亡した場合は次の人へ引き継ぐ。
7. 銃登録局での許可証の発行を停止
8. タイ警察・デジタル経済社会省による違法銃器販売サイトの取締りと閉鎖

10月6日 タイ観光・スポーツ省のスダワン氏(น.ส.สุดาวรรณ หวังศุภกิจโกศล)は事件の死傷者に対する救済策を検討し、死亡した2名には1人あたり120万バーツ、負傷者5名には5万バーツを支給すると発表しています。

(3)サイアム・パラゴンの対応

10月4日 サイアム・パラゴンは通常通り営業を実施。事件のあったM階は閑散としており、献花を行う人も。パラゴンを始め、セントラルワールド、全国のセントラルデパートでも手荷物検査の強化すると発表しています。

10月6日 サイアム・パラゴンでは事件の死傷者に対しての救済金として、死亡者1人あたり120万バーツ、負傷者1人あたり30万バーツを支給すると発表しています。

(4)加害者少年の両親の対応

10月6日 タイ警察の管理本部は加害者の少年の両親から書簡を受け取ったことを報告。内容は犠牲者、関係者、関係各国への謝罪で始まり、謝罪が遅れたことへのお詫び、警察の捜査に全面協力するため子供の保釈を求めない事、また事件へ可能な限りの責任を果たすことを伝えています。

【加害者両親からの書簡】

10月6日 加害者少年の父親が犠牲者の1人ミャンマー人女性のタワンさんの葬儀に参列。同日午後7時よりノンタブリー県の寺院で行われていた葬儀に参列し、報道陣に対して犠牲者と社会に対しての謝罪を述べ、その後タワンさんの雇い主に金銭の入った封筒を手渡す。今回の訪問ではタワンさんの家族とは直接会えず。7日葬儀2日目に家族との面会を予定。

まとめ・感想

2023年10月3日、観光客に人気のデパート サイアム・パラゴンで14歳の少年による驚くべき銃乱射事件が発生し、中国からの外国人観光客も含む2名の死者、5名の負傷者が出る大惨事となりました。犠牲になった方々のご冥福をお祈りし、負傷者の方の一日も早い回復を望みます。

ようやくコロナも明け、9月末から中国からのビザ免除も始まり、タイの観光もこれからというタイミングでの有事となり、タイ観光産業においては大きな痛手となりました。

タイでは大量の死者の出る銃乱射事件が定期的に発生しており、2020年2月8日ナコンラチャシマ県では当時現役の軍人(当時32歳 動機は上司への恨み)が同県のTerminal21に武装して立てこもり死者29人・負傷者58人、2022年10月6日ノンブアランプー県では元警察官(当時34歳 動機不明、薬物使用歴・家庭問題あり)が幼稚園に押し入り死者36人・負傷者10人の大惨事が起きています。

どちらも元警察・元軍人と比較的銃器が手に入りやすく銃の扱いに慣れた者の犯行でしたが、今回は未成年が改造銃を利用したことで誰もが加害者となれる点では大きく特徴が異なります。

タイの刑法では、15歳以下の子供、その両親に対して刑事責任を問うことができません。恐らく少年は更生施設、または精神病治療の施設へ送られると思われます。また刑事責任には問われなくても民事において被害者からの賠償請求が行われると思われ、その対象は両親だけでなくパラゴン、タイ政府に対しても行われると思われます。

今回の事件を通してタイは銃社会であり、銃による被害の多さと危険性を改めて認識する必要があります。この事件によってタイが支払う代償は莫大なものとなりましたが、タイ政府にとって現行の銃規制と子供の教育環境の問題が明らかとなり、今後は観光産業の信用回復と安全な国を取り戻すため改善されることを期待したいと思います。

最新NEWSへ

コメント

タイトルとURLをコピーしました