「【昆虫の素揚げ】を食べると命の危険【アレルギー、喘息】の人は避けるべきと警告」タイでも昆虫素揚げでアレルギー重症化事例発生! FDAが注意喚起 “เตือนเปิบ ‘แมลงทอด’ เกือบเอาชีวิตไม่รอด ‘ภูมิแพ้-หอบหืด’ ควรหลีกเลี่ยง”

今回の記事（2023年3月27日 DailyNews）では、タイの屋台などでよく売られている「昆虫の素揚げ」についてタイ食品医薬品局（FDA）がアレルギーや喘息の症状を持つ人が食べると命を危険にするアレルギー症状が出るため控えるように警告をしたという話です。

タイ食品医薬品局の発表

2023年3月27日にタイ食品医薬品局（FDA）の副局長であるウィティット博士（นพ.วิทิต สฤษฎีชัยกุล）は「昆虫の素揚げ」（แมลงทอด）を食べる人気の高まりにより、重度のアレルギー反応を起こす人が増加したとしています。

FDAではアレルギーや喘息のある人は「昆虫の素揚げ」によりアレルギー反応が引き起こされる可能性が高く、避けるべきだと警告しています。重症化することにより死に至るとしています。

また一方でFDAでは昆虫は栄養豊富で不飽和脂肪酸が含まれ 身体に有益であるとも述べています。

「昆虫の素揚げ」と危険なヒスタミン

タイで一般的に「昆虫の素揚げ」として食べられている昆虫は以下のものがあります。

• 蚕の蛹（ดักแด้）
• 蚕の幼虫（หนอนไหม）
• バッタ（ตั๊กแตนแคระ）
• 竹虫の幼虫（หนอนไม้ไผ่）
• タガメ（แมงดานา）
• コオロギ（จิ้งหรีด）

【画像：蚕の蛹の素揚げ】

FDAで懸念している成分は「ヒスタミン」（ฮีสตามีน Histamine)で、少量であってもアレルギー反応を引き起こすケースがあります。

蚕の蛹のヒスタミン量は最大で 875 mg/kg。また食品が特定のバクテリアに汚染されている場合は アミノ酸「ヒスチジン」がヒスタミンを生成したり、バッタの素揚げにはカーバーメート(คาร์บาเมต carbamates)系の殺虫剤が含まれる可能性のリスクもあるとしています。

主な軽度の症状は以下になります。

• 皮膚炎（ผิวหนังอักเสบ）
• 発疹（มีผื่นคัน）
• 口の周りのしびれや痒み（ชาหรือคันบริเวณริมปาก）
• 腹痛（ปวดท้อง）
• 吐き気や嘔吐（คลื่นไส้อาเจียน）
• 喘息（หอบหืด）
• または生命を脅かす症状

重症化すると以下の症状となり、早急な治療を行わないと死に至る可能性もあります。

• 頭痛（ปวดศีรษะ）
• 多量の発汗（เหงื่อออกมาก）
• 嘔吐（อาเจียน）
• 下痢（ท้องเสีย）
• 筋肉の震え（กล้ามเนื้อสั่น）
• 瞳孔の収縮 （ม่านตาหด）

タイ食品医薬品局からの注意

FDAでは「昆虫の素揚げ」を食べる際にはその昆虫が一般的に食べられているものなのか、またきちんと調理されているものなのかを確認し、食べられる人も 食べた後２～７時間で異常な症状が出ないかを自分で確認するように促しています。

また商品を購入する際は公衆衛生省（กระทรวงสาธารณสุข）の基準を満たしたラベル表記（食品名、シリアル番号、成分、製造・販売業者、製造日、アレルギー情報）をきちんと確認すべきと注意しています。

【ニュース深堀り】

2023年3月23日の関連記事では自分で素揚げした昆虫を食べる動画をTikTokに上げたタイの女性が ５～６匹食べたところでアレルギー反応を引き起こしてICUへ運ばれ一命は取り留めましたが、医師からは後５分遅かったら手遅れだったことが紹介されています。

まとめ、感想

今回タイ食品医薬品局（FDA）から「昆虫の素揚げ」を食べることについて、アレルギー・喘息を持つ人は食べることを避け、食べる場合も確かな物を選ぶように注意がなされました。最近にも実際に重症化した事例もあり、FDAからは数年に一度 注意喚起がなされています。

タイは昆虫食先進国のように思っていましたが、衛生面やアレルギー反応に対するリスクの周知はまだまだのようです。昆虫食は家畜の飼料や将来は人の貴重なタンパク源となる可能性のあるものですが、他の食品同様にアレルギーのリスク管理も徹底し、提供して欲しいものです。