「ドリアン輸出問題の不安 具体的な解決策なし」輸送手段・販路拡大を検討 出口はあるのか？ “ห่วงปัญหาส่งออกทุเรียนยังไร้ทางแก้เป็นรูปธรรม”

今回の記事（2022年3月16日 ThaiPBS ）は、ドリアンの主な輸出先の中国でのゼロコロナ対策により中国向けの輸出が減少してしまい、ドリアン農家・輸出業者は非常に困っており、解決のための方法に頭を悩ませているという話です。

ドリアンの収穫

2022年3月15日にチャンタブリー県ナヤイアム地区（อ.นายายอาม จ.จันทบุรี）のドリアン農家がドリアンの収穫を行われました。　＊チャンタブリー県はドリアンの産地

2022年のドリアンの価格

チャンタブリ―の農園前でのドリアンの価格は以下の通りです。＊昨年よりも高値

• モントーン（หมอนทอง）160バーツ/Kg
• チャニー（ชะนี）150バーツ/Kg
• ガーンヤーオ（ก้านยาว）250バーツ/Kg

＊それぞれの種類の説明は「CHIANGMAI43」さんのサイトで詳しく説明していますので、見てみて下さい。（関連記事）https://chiangmai43.com/dorian/

タイ東部のドリアン生産量の増加

2022年のタイ東部（主にチャンタブリ―、ラヨーン）でのドリアンの生産量は74万トンになり、昨年から24万トン増えています。

中国への輸出量の減少

チャンタブリ―県でドリアン農園を営むパニチャ夫人（นางภาณิชา โพธิภักดิ์）はドリアンの値段が、昨年の1kg当たり150バーツから今年の初めでは250バーツと2倍近くになっているが、この価格はおそらく維持できないと伝えています。

理由は主要な輸出先の中国がゼロコロナ対策で厳しい検疫を実施しており、輸出において貨物トラックが通関で何日も待たなければならない状況になっているためです。結果、輸出量が減少して価格を維持できないとしています。

【画像：検疫・通関を待つ貨物トラック】

【画像引用：https://news.thaipbs.or.th/content/313668】

「対策」空輸・鉄道輸送の検討

【空輸】

陸路での１コンテナあたり輸送コスト（片道）は約40万バーツです。もしこれを空輸ではこの3倍の120万バーツとなるため、この方法では採算が合いません。

【鉄道輸送】

現在タイ政府では中国ーラオス間の鉄道輸送について、タイでの検査済みの証明”Covid-19 Free”のある貨物はオスに入る際には車両の閉じたまま中国の昆明に直接入れるように調整を実施しています。

販路の拡大・国内消費の刺激

中国への輸出に頼るだけでなく、シンガポール、マレーシア、ラオスなどへの輸出の検討や国内消費を拡大するように検討しているとのことです。

【ニュース深堀り】

販路の拡大・国内消費の刺激

2022年3月13日（ThaiPBS）の記事で、チャンタブリ―県のドリアンの農家で中国人業者が2トンのドリアンを買い付けて中国へ輸入するための準備をしていたことが発覚し、農園の所有者と業者が起訴されています。

中国ではおそらく需要はあるのですが、Covid-19対策のために中国への輸入量が激減してしまっているため、このような事態になっているようです。

まとめ、感想

折角収穫できたドリアンも消費できなければ、農産物の輸出したいタイとしても収入が減り、当然ドリアン農家での収入も減ってしまいます。東南アジアの近隣諸国でもドリアンは収穫できるため中国ほどの輸出も見込めないと思われます。

Covid-19の影響により人だけでなく物の流通も減少し、必要な物の輸出・輸入にも制限がされることで世界的な景気にも影響を与えているようです。