「６輪トラックを逮捕　隠しスペースに押し込まれた不法就労者を運ぶ　仲介手数料は1人3万バーツ」タイへの不法入国が後を絶たず。タイの外国人労働者について ”จับ 6 ล้อ ขนแรงงานเถื่อน ซุกช่องลับเบียดหวิดดับ งาบหัวคิวคนละ 3 หมื่น”

今回の記事（2022年3月14日 Thairath）は、2022年3月13日 ミャンマーと国境を接するメーソートで、6輪トラックの荷台の野菜の下に隠れていたミャンマー人の不法労働者50人以上が逮捕されたという話です。

捜索から逮捕まで

2022年3月13日、軍と警察、ターク県メーソート地区（อำเภอแม่สอด จ.ตาก）管理局は合同でチェックポイントを設置しており、不審な車の通報を受けて捜索を開始しました。

【地図：ターク県メーソート地区】

同日午後11時に荷台に梱包された野菜が山積みになっている6輪トラックを発見しました。野菜は古い野菜も多くあり、野菜を荷台から降ろすと幅1メールの隠しスペースが作られており、中からミャンマー人 53人（男性22人、女性31日）が発見されました。

調査では運転手（31歳）は窒息の恐れもあることから急いでいたと言っており、同乗していた女性と共に拘束されています。

【引用画像：https://www.thairath.co.th/news/local/north/2340716】
*見出しの画像も同サイトより引用

行き先は「アユタヤ」

記事では、6輪トラックの運転手はこれらのミャンマー人がタイに不法入国されていたことを知っており、メーソート地区の農場に集められた労働者をトラックの荷台に乗せたと供述しています。

車の行き先はアユタヤ県バンパイン地区（อ.บางปะอิน จ.พระนครศรีอยุธยา）とされており、１回の運転で６万バーツの報酬があるとしています。

今後の対策

タイ王国国家警察庁の最高司令官であるナロンチャイ・チャルーンチャイ大佐（พ.อ.ณรงชัย เจริญชัย）は、都市部への労働者の密輸について大きな組織が関与していると指摘しています。

また、不法入国者は1人あたり最大3万バーツの手数料を支払っていると伝えています。

今後はターク県のミャンマーとの国境を24時間体制で厳重に監視し、6輪トラックの運転手への調査も併せて進めるとしています、

【ニュース深堀り】

2021年11月10日（ThaiPBS）の記事（関連記事）では、2021年にタイへの不法入国での逮捕ニュースが多くあったことを受け、タイでの外国人労働者の数、逮捕のニュースをまとめています。

タイの外国人労働者数と職種

外国人労働者管理局（สำนักบริหารแรงงานต่างด้าว）発表の2021年9月時点全国外国人労働者数では2,374,501人の外国人がタイで働いています。

【外国人労働者 ビジネス種別 トップ5】

1. 農業と畜産（เกษตรและปศุสัตว์ ）
2. 建設（ก่อสร้าง）
3. サービス（บริการ ）
4. 継続的農業（เกษตรต่อเนื่อง）
5. 既製服の製造または販売（ผลิตหรือจำหน่ายเสื้อผ้าสำเร็จรูป）

【外国人労働者 が多い県 トップ5】

1. チェンマイ（เชียงใหม่）
2. バンコク（กรุงเทพมหานคร）
3. チャンタブリー（จันทบุรี）
4. サムットサーコーン（สมุทรสาคร）
5. ラヨーン（ระยอง）

不法入国者数　2021年10月

2021年10月1日～31日までの間だけで、不法入国者が10,870人おり、内訳はミャンマー5,782人、カンボジア3,692人、ラオス726人となっています。

2021年11月 外国人労働者の受け入れ再開後

タイ政府は2021年11月1日から外国人労働者の受け入れを再開しています。

しかし、記事では労働目的の不法入国が後を絶たたず、カンチャナブリ、チェンマイからミャンマー人、サケオからカンボジア人の不法入国が報告されています。

それぞれのケースで不法入国を斡旋するブローカーに支払う手数料は異なるようですが、おおよそ1人あたり 1万５千バーツから最高で３万バーツくらいの間を報告しています。

まとめ、感想

現在も都市部の多くの建設現場などではミャンマーからの外国人労働者がたくさん働いています。不法入国で逮捕のニュースはタイでは良く聞くニュースですが、ミャンマーでのクーデター・情勢不安などで仕事を求めてタイに入国したい人は今後も多くいると思われます。

ただこの状況は、入国時に正しい検疫ができずにCovid-19の感染が管理ができなくなること、また不法労働者が通常より安い賃金で働かされ、国内でも適切な対価で仕事が出来なくなるなどの問題があります。

タイは周辺国と国境が長く接していることもあって制御が難しいと言われていますが、対応を進めて欲しいものです。