「連立8党決議 タイ貢献党は7月26日に首相指名候補者を選出。上院議員と交渉し政党を増やす方針」ピター氏への職務停止命令。どうなる第3回首相指名？ “มติ 8 พรรค พท. ชงชื่อโหวตนายกฯ เคาะ 26 ก.ค. ลุยคุย สว. – ดีลพรรคเพิ่ม”

今回の記事（2023年7月21日 ThaiPBS）は、2023年7月19日の第2回首相指名投票の候補者であった前進党ピター氏への議員停止命令および首相再指名禁止決議を受け、次回 第3回首相指名投票では下院第2党のタイ貢献党が候補者を選出し、新政権を樹立するための３つの方針を発表したという話です。

*見出し画像は参考記事より引用

１．第2回首相指名投票の結果

2023年7月19日の議会において第１回の首相指名投票（7月13日）と同じく前進党のピター氏が第2回目の首相候補として連立8党から擁立されましたが、以下2つの要因によりピター氏は議会を去り、第2回の首相指名投票も実施されないまま議会は終了しました。

1) ピター氏への職務停止命令

タイ選挙管理委員会がタイ憲法裁判所へ申し立てしていたピター氏の「itvメディア株保有」問題（憲法第101条(6)および第98条(3)）が同日11:49に憲法裁判所において受理されて審議入りしたことを受けて、ピター氏は下院議員の職務停止処分（憲法第82条(2)）となり、議会途中で退席することとなりました。

ピター氏は今回の申し立てに対して15日以内に憲法裁判所に対して説明を行う必要があります。裁定の結果が違憲となった場合、20年間の政治活動が禁止されます。

2) ピター氏の首相再指名禁止決議

同日の午前中より議会では議会規則第41条（การประชุมรัฐสภา ข้อที่ 4）にある「既に否決された動議を再度提案することはできない」ことに対し、ピター氏の首相候補への再指名についての是非が議論されていました。

職務停止命令を受けても首相指名は可能であるため、8時間の議論の末に決議が実施されました。結果は再指名できないことへの賛成票が過半数の395票、反対票が317票（棄権票8票）となり、ピター氏への再指名は行われないまま議会は終了しました。

２．第3回首相指名投票と首相候補擁立

タイ首相を決める第3回首相指名投票は2023年7月27日(木)に実施されることが決定しています。タイ貢献党は以下の3候補者の中からの首相候補を選出し 7月26日に発表するとしています。

【タイ貢献党からの首相候補者】

1. ペートンタン・シナワット氏　นางสาวแพทองธาร ชินวัตร
2. セター・タウィシン氏 นายเศรษฐา ทวีสิน
3. チャイカセム・ニティシリ氏 นายชัยเกษม นิติสิริ

ไม้ต่อจากพิธา สำรวจเงื่อนไข 3 แคนดิเดตนายกฯ เพื่อไทย

แม้ออกตัวพร้อมยืนข้างก้าวไกลและผลักดันให้ "พิธา" เป็นนายกฯ คนที่ 30 ให้ได้ แต่เมื่อพิธาตกสวรรค์ จำใจส่งไม้ต่อให้ "เพื่อไทย" สำรวจเงื่อนไข-ข้อจำกัด 3 แคนดิเดตนาย...

www.thaipbs.or.th

３．タイ貢献党からの提案

2023年7月21日16:30にタイ貢献党党首チョラナーン氏（นพ.ชลน่าน ศรีแก้ว）は連立8党と共同で声明を発表しました。その中で次回の首相指名を成功させ、政権樹立するためのに以下の3つの方針を打ち出しました。

１．現在の連立8党では312票までとなり、過半数の375票まで63票足りない。タイ貢献党は前進党が政策に掲げている刑法第112条（不敬罪）の改正の条件を話し合う。

２．上院議員からの賛成票が不十分な場合、タイ貢献党は支持を得られる他の政党との協議を行い、どの政党と協議を行うかもタイ貢献党が決定する。

３．他の交渉もタイ貢献党が主導する。

３．旧与党との交渉開始

2023年7月22日、既にタイ貢献党は３つ旧与党にあたる以下3政党との交渉を開始しています。しかし、どの政党も刑法第112条の改正に関する政策への同意に難色を示している状況です。

• タイ誇り党 พรรคภูมิใจไทย　（70議席）
• タイ団結国家開発党 พรรคชาติพัฒนากล้า（2議席）
• タイ団結国家建設党พรรครวมไทยสร้างชาติ (รทสช.)（36議席）

まとめ、感想

2023年7月19日に実施された議会の場で下院第１党である前進党ピター氏が首相となる可能性はタイ憲法裁判所の「メディア株保有」問題に対するピター氏への議員職務停止処置と議会規則41条による首相再指名禁止決議により無くなることとなりました。

2023年7月27日に実施される第3回首相指名投票は下院第2党のタイ貢献党から前日の7月26日選出し、それまでタイ貢献党主導で上院および他党との交渉が続けられることとなりました。

現在上院、および旧与党からの賛成票が得られない要因となっている前進党が政策として掲げる刑法第112条の改正については、タイ貢献党は前進党との改正条件などの交渉も行う予定です。

次回の第3回首相指名投票で首相が決まらなければタイとして更なる混沌と混乱が起こることは間違いありません。次回首相が決まったとしても、その決まり方に国民が納得いくのか？次回の議会はタイ貢献党の手腕が試される場となりそうです。