「不思議？ なぜ多くの日本人は海外旅行を好まないのか」日本出国者と在留邦人数の推移を確認！ “แปลกไหมทำไมชาวญี่ปุ่นจำนวนมาก ไม่นิยมเดินทางท่องเที่ยวต่างประเทศ”

今回の記事（2023年2月22日 Thairath）は、現在日本では海外旅行の人気が無くなっているという調査結果とその原因について報じたという話です。＊元ネタはCNNより

日本人の海外旅行に関する調査結果

グローバル ビジネスインテリジェンス企業であるモーニングコンサルタント社が実施した調査結果は以下のようなものでした。

・日本人の回答者の35％は海外旅行に行く気がないと答え、他の国に比べて最も消極的であった。

日本人のパスポートと取得率

日本のパスポートは世界の約85％の国にビザ無しで渡航できる最強のパスポートですが、日本人のパスポートの保有率は現在20％未満となっています。

専門家の見解

観光行動と心理学を専門とする玉川大学 中村哲教授によればこれは以下の理由で驚くべきことではないと述べています。

１）Covid-19流行以前の2019年の調査で年に1回海外旅行する人は人口の10％
２）2016年の調査で「海外に行きたいが行けなかった人」と「興味がなく行かなかった人」の合計は70％

また、海外旅行に興味の無い人の理由として、時間の無駄で旅行の準備に必要以上の時間やお金をかけたくないとしています。

航空・旅行アナリストである鳥海浩太郎氏はCovid-19の流行により海外での感染リスクが高まりロックダウンなどで海外への渡航がし辛くなったこと、また国内の旅行に対する関心が高まったことを原因に挙げています。Covid-19の終息によりまた海外旅行が増えると考えています。

日本政府観光局の調査

日本政府観光局の調査では海外旅行をする日本人観光客の数は2002年には2,000万人いましたが、2022年には86.2％減の270万人のみとなっています。

経済的な問題

海外旅行には特別な費用がかかります。現在円の価値は数十年ぶりの安値となっており、また過去30年の間、日本の賃金はほとんど上昇していません。より収入の低い新世代は旅行の代わりにオンラインゲームや娯楽に費やす選択をしています。

記事では最後に現在の海外旅行に対する消極的な姿勢は、Covid-19のあるなしに関わらず、今後の海外旅行の推移に影響があるだろうと付け加えています。

【ニュース深堀り】

日本人出国者推移

2023年1月18日 トラベルボイス（関連記事）では 2019年7月から2022年12月までの日本人出国者の月次推移と10年間の出国者数の推移をまとめており、2019年の年間2,000万人の出国者数に戻るには程遠い状況と伝えています。

海外在留邦人数

外務省（関連記事）では海外の在留邦人数の2021年（令和3年）までの統計を発表しており、海外長期滞在者は2019年から減少していますが永住者は増加、都市別在留邦人数 第2位のバンコクも減少することなく常に増加という結果になっています。＊以下画像は同サイトからの引用

＊10年間を抜粋

＊10位までを抜粋

＊10位までを抜粋

まとめ、感想

現在Covid-19の影響、円安、経済的な問題により日本から海外旅行へ行きたくないと思う人が増えており、パスポート保有者も20％未満と、5年連続で世界最強と言われる日本のパスポートは現在は有効に使われていないという寂しい状況です。

今後Covid-19の規制が完全になくなれば出国者数も上昇すると思いますが 2019年の年間2,000万人の出国者レベルまで復活するには円安や経済的な要因もありまだまだ先のようです。

出国者は減少しましたが 逆に海外への永住者は増加しています。長期滞在者も2019年のCovid-19の影響と思われる減少が続きましたが、今後はコロナ前の水準まで徐々に戻っていくのではないでしょうか。

都市別の在留邦人数２位のバンコクではコロナ禍の年にも関わらず在留者数が増えているという面白い結果でした。仕事先、滞在先、永住先としてまだまだ人気の都市ということでしょうか。